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エポスカードの債務整理ケース紹介

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債務整理の事例

 

エポスカードの債務整理

株式会社エポスカードとの債務整理の事例紹介です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2024.8.7

 

クレジット会社であるエポスカードは、5年~7年程度の分割払いであれば、比較的和解がまとまりやすい金融機関です。

同社は、デパートの丸井と提携したクレジットカードを発行しています。

20代前半からカードを持っていた、ショッピング利用時にポイント目的で作っていたという人も多いです。

ショッピング以外に、10年以上前にキャッシング利率が高い取引をしていた場合には、過払い金の対象になることもあります。

 

現在も、キャラクターと提携したカードを積極的に発行しており、若者をターゲットにし顧客を囲い込みに動いている印象を受けます。

 

もともと、このようなカード事業は丸井が行っていましたが、カード事業をエポスカードが引き継いだ形となっています。

 

ゼロファーストも任意整理の対象

消費者金融という位置づけだったゼロファーストも、現在はエポスカードに合併しています。

あわせて整理対象となります。ゼロファースト社からエポスカードに切り替えるよう案内されていた時期もありました。もともとグループ会社だったので、このあたりはスムーズです。

過払い金、消滅時効の主張、任意整理などもほぼ両社が同じように対応します。

 

エポスカードに受任通知を送り、過去の取引履歴開示を求めると、ゼロファースト社の取引についても開示されるのが通常です。

片方が時効になっているようなケースでは、ゼロファースト取引について消滅時効の援用、エポスカード取引について分割払いの任意整理という解決もありえます。

 

取引履歴の開示時期については、他のクレジット会社よりも早いという印象です。

自己破産や個人再生の準備にあまりにも時間がかかりすぎた場合には、訴訟提起されることもないわけではありませんが、それほど厳しく法的対応をするという会社ではないでしょう。

 

 

エポスカードの任意整理での分割払い

エポスカードとの任意整理において、無利息での分割払いは、5年程度の期間であれば応じてもらえる傾向にあります。

他のクレジット会社と同じような対応といえます。

複数のカードを持っている場合には、債務額が200万円程度になっているケースもありますが、このような高額帯であっても、5年程度の分割払いの和解を成立させることができています。

また、収支や全体債務の状況によっては、5年を上回る分割払いの和解ができることもあります。

エポスカード任意整理

元金100万円弱で、84回程度の分割払いがまとまったケースがあります。

元金120~130万円程度でも、同程度の分割払いで合意できた事例があります。

2022年には、200万円以上の元金で、96回の分割合意ができた事例が出ています。

また、和解成立による合意時から、支払開始時期までに期間を空けた和解ができることもあり、資金繰りが厳しい場合には、柔軟に対応してくれる債権者です。

任意整理を考えている際に、エポスカードが大きい割合を占めている場合には、比較的、うまくまとまりやすい状況といえます。

なお、途中で支払い金額を変更する条項については、弁護士事務所での振込代行など管理が続く場合には対応できることもあるとの話を受けたことがあります。

ほとんどのケースで将来の利息をゼロにする和解ができます。

 

Q.債務整理のメリットデメリットは?

Q.債務整理を使える条件は?

Q.任意整理の手順、手続は?

 

エポスカードの任意整理の特徴

任意整理は、裁判所を通じずに行われる交渉です。

その名のとおり、交渉を受け入れるか否かは債権者であるエポスカードの自由です。

最近では、多くの消費者金融や一部のクレジットカード会社が、経営の困難さを理由に厳格な合意条件を設けています。任意整理が勧められない債権者も増えています。

この中で、エポスカードは、丸井グループに所属しており、その経営は比較的安定していると言われます。その結果、他の企業と比べて、債務者に対してより優れた条件で合意に応じてくれる傾向があります。

 

月額支払いは最低5,000円以上

任意整理を行う場合、合意後の月々の返済額には最低金額が設定されることが一般的です。

エポスカードの場合も、毎月5,000円程度の支払を求められることが多いです。

債務総額が少ない場合は、分割回数が60回以下になる可能性もありますので、頭にいれておきましょう。

 

丸井のクレジットカードの特徴

エポスカードは、丸井のクレジットカードです。

デパートの丸井でのショッピングがきっかけでクレジットカードを作成した人も多いでしょう。

中には初めて作成したクレジットカードがエポスカードであるという方もいます。20代前半でエポスカードをつくる人も多いですし、女性の契約者が多い印象です。

主にショッピングで使用する際に割引や特典が提供されますが、今では家賃の代理収納や保証業務など、多岐にわたる用途で活用されています。

エポスカードの特徴は、マルイで分割払いやリボ払いをすると100円あたり1ポイントが還元されるなど、効率的にポイントを貯められるサービスがあります。

しかし、ポイントを貯めやすいという利点がある一方で、ショッピングに使いすぎてしまい、月々の支払いが困難になることもあります。ショッピングリボの制度で多重債務になっている人も多いです。

 

エポスカードの過払金

エポスカードにおける過払い金請求については、平成19年以前からキャッシング取引がある場合、過払い金が発生している可能性があります。

ショッピングでは過払い金は発生せず、キャッシングの借入や返済がある場合には、過払い金の可能性があります。

また、エポスカードにおいては、過払い金請求を行う際に、裁判を経ることなく、大部分の金額を返還してもらうことが可能です。過払い金の利息などの請求は難しいですが、元金の一部だけを回収するという希望の場合には、裁判を起こさず交渉で解決するのも選択肢になります。

エポスカードを任意整理する際は、ショッピングとキャッシングの両方の返済額を合算し、過払い金などがあれば、その請求・精算も合わせて進めます。

借金がなくなって過払い金の請求ができる場合には、エポスカードへの支払はなくなります。

回収した過払い金を他社への返済に充てるなどできます。

 

ゼロファーストとエポスカード

かつて関連会社であったゼロファーストも、現在はエポスカードが事業を引き継いでいます。そのため、エポスカードとの交渉となります。

過払い金のほか、債務整理でもエポスカード社のみが相手になります。

 

エポスカードは、その業界内で見ても非常に公正な業者であると評価されています。

任意整理の交渉が難航したり、不必要な遅延損害金が課されたりすることは基本的にありません。任意整理を行うことで毎月の返済額を減らすことができ、完済までの期間も短縮することができます。

 

エポスカードの債務整理の選択肢

エポスカードの返済に困窮しているとき、債務整理を通じてその問題を解消することが可能です。

特に、長期分割、柔軟な解決がしやすいことから、まずは任意整理を検討するのが良いでしょう。

債務整理方法の中で、自己破産や個人再生よりも手続きが簡便なため任意整理を検討する人が多いです。

ただ、全体の債務額が膨らんでいる場合には、個人再生や自己破産も検討すべきです。

 

自己破産や個人再生の場合、財産が処分されたり、財産以上の支払をしなければならない点がデメリットとされています。任意整理では各金融業者ごとに借金の整理ができるため、手元に残したい財産を守ることもできます。

任意整理で柔軟な解決ができる債権者の構成であれば、任意整理が選択肢になりえます。

 

エポスカードの任意整理のメリット

任意整理では、手続き後の返済条件を交渉によって決定します。エポスカードについては通常の任意整理のメリットが期待できます。

まず、任意整理で合意できた後の将来利息は、カットしてもらえることがほとんどです。

エポスカードは、ショッピングとキャッシングの両方に対応したカードです。

債務整理を検討する際には、両方とも対象となります。

キャッシング分だけ整理したい、ショッピングは使い続けたいという希望は通りません。

また、メリットとして、返済期間を延長することにより、月々の返済額を減らせることが多いです。

利息を支払ながらの返済額より、利息がなくなり、長期分割にできれば、毎月の返済額は下げられることが多いのです。エポスカードのように、長期間の分割合意ができる業者については、毎月の支払は減らせることが多く、この点がメリットになるでしょう。

 

 

エポスカードの任意整理のデメリット

任意整理も債務整理ですので、信用情報に事故情報が記録されます。

エポスカードはもちろん、他社でのクレジットカード作成などには影響がでます。

貯めていたポイントが失効しますし、カードが使えない以上、マルイなどでのショッピング特典が受けられなくなります。

任意整理を行うと、受任通知の時点でエポスカードは強制的に解約され、貯めていたエポスポイントが無効となります。

他のカードでも同じですが、ポイントを無駄にしないためには、マルイの店舗や通販での精算時にポイントを利用して、任意整理前にポイントを使い切っておいたほうが無駄にならないです。

 

弁護士に債務整理を依頼するメリット

弁護士等の専門家が債務整理を引き受けると、貸金業者やカード会社に受任通知を送ります

受任通知が相手に届くと、支払の督促が停止します。

返済が遅れていても、督促は来なくなります。また、訴訟提起もすぐには起こされず、交渉期間を一定期間とることができます。

また、法律の専門家が交渉を行うことで、毎月の返済額などが借主にとって有利な条件で合意できる確率が上がります。

カード会社や貸金業者は借金の取り立ての専門家であり、専門知識がない人が自分で交渉すると、現実的でない返済プランを受け入れてしまう可能性があります。

しかし、法律や交渉のプロフェッショナルである専門家が介在することで、現実的な返済プランを基にした話し合いが進められやすくなります。

 

 

エポスカードからの訴訟

エポスカードは、受任通知で支払を止めた後、相当の期間が過ぎると訴訟を起こしてくることもあります。

件数自体は多くありませんが、自己破産や個人再生の準備が進まず、1年以上の期間が過ぎた事案で、訴訟提起とされた事案があります。

任意整理で交渉が長引いたとしても、よほどのことがない限りは、交渉を決裂させて訴訟を起こしてくるということはないです。

また、エポスカードから訴訟を起こされた場合でも、和解の話し合いに応じてもらえることがほとんどです。

訴訟後に分割払いの合意ができた事案もあります。

合意内容によっては訴訟を取り下げてもらえることもあります。

 

エポスカードの消滅時効

エポスカードも他のクレジット会社と同じく、支払を止めて約5年が過ぎており、裁判まで起こされていないときには消滅時効の主張ができることが多いです。

平成26年で返済を止めていた事例で、裁判を起こされずに消滅時効の援用をして支払い義務がなくなった事案があります。キャッシングとショッピングを合わせて約140万円の債務でしたが、消滅時効により支払い義務がなくなっています。

長期間、返済を止めている事例では、株式会社エムアールアイ債権回収などに債権譲渡され、法的手続き予告通知などが届いていることもあります。

 

 

エポスカードの基本情報

エポスカードは、株式会社エポスカードが発行するクレジットカードです。

同社は株式会社丸井の子会社です。

株式会社エポスカードの本社所在地は東京都千代田区神田錦町3丁目22番地とされています。

もともと株式会社マルイカードとして設立し、株式会社丸井から事業を譲り受け、2006年3月に株式会社エポスカードに社名変更しています。

2014年10月にゼロファーストを吸収合併しています。

スルガ銀行のカードローンを保証するなどの事業をしています。

また、エポスカードの延滞が続いているような場合には、関連会社の株式会社エムアールアイ債権回収に債権譲渡されることも多いです。

なお、エムアールアイに債権譲渡され、同社から裁判を起こされるという事案もあります。

ただ、エムアールアイも任意整理の交渉には比較的に柔軟に応じてくれます。


裁判を起こされても、しっかり対応して和解交渉をすれば、エポスカードと同じような条件で裁判上の和解が成立することも多いです。

 


エポスカードからの借金を含めた債務整理をお考えの方、借金でお困りの方はぜひご相談ください。



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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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