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よくある質問

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よくある質問

 

投資の前に借金を返済すべき?

投資の前に借金を返済すべき?という質問を受けることがあります。

これに関して、ベストセラーになっている書籍『FIRE 最速で経済的自立を実現する方法』より、経済的に自立する、仕事を辞めても生活できる早期リタイアメントの考え方を紹介します。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.8


FIRE 最速で経済的自立を実現する方法
朝日新聞出版 (2019-12-20)
売り上げランキング: 3,973

 

 

借金問題を抱える人の中には、老後不安に悩む人も多いでしょう。

この著者は、借金生活から収支を改善して資産形成したそうです。夢があります。

どういう考え方でライフスタイルを改善すれば、そこまでいけるのか、紹介してみます。
海外の事例ではありますが、根本的な考え方は日本でも使えるでしょう。

 

資産による複利が重要

まず、著者が重視するのは、資産による複利です。

「複利は時間とともに幾何級数的にお金の価値を増やすため、より早い時期から、より多くの金額を投資すればするほど、より早くお金は増える。経済的自由にいち早く到達する鍵は、できるだけ早い時期から、できるだけ頻繁に、できるだけ多くのお金を稼いで投資に回すことだ。」

「大切なことは投資元本には決して手をつけず、資産の増加分のうち生活に必要な額だけを引き出すということだ。決して増加分のすべてを引き出してはならない。毎年、リターンより少ない額だけを引き出すというパターンを続けていれば、資産の増加分で生活できるだけではなく、資産全体の価値は将来的に2倍、3倍、4倍にもなる。」

 

複利の力は、いろいろな投資の本に書かれています。

得られた利息を元本に組み入れる、そうすると元本が増えるので、その後の利息も増えるという発想を繰り返していくわけです。

 

相当額の元本があり、そこから生まれる利息の一部で生活できるようになれば、残りの利息は元本に組み入れられる、だからリタイアして、収入がなくなっても、資産が増えていくというロジックです。

この論理で早期リタイアするには、いくつか前提があります。

 

前提1「元本が必要」

まず、元本が必要。

「いくら必要なのかは最終的にはあなたの望むライフスタイル次第だ。あなたにとっての完壁な1日とはどんな1日か?心から好きな生活を送るためには、あなたが思っているほどお金はかからないだろう。あなたが心から好きな生活を送れるようになる手段としてのみ、お金は重要なのだ。」

 

希望するライフスタイルが、さほど出費のかからないものなのであれば、少ない元本でもリタイアできることになります。

逆に、贅沢な支出をしたいのであれば、元本を多く準備しないといけなくなるのです。

 

自分が基本的にしたい出費を洗い出して、たまの贅沢にどれくらいお金があればよいのか、年ベースで考えていくと良いでしょう。

 

資産をチェック

 

「前章までにあなたの数字を算出し、その数字を小さな目標額に分解した。次にやることは、自分の純資産を計算して、スタート地点を把握することだ。純資産とは、あなたの資産(現金、持ち家、投資資産など価値のあるもの)と負債(あらゆる種類の借金)の差額だ。あなたの純資産は、パーソナル・ファイナンスにおいては定期的に確認すべき最も重要な数字だ。私は毎日その数字を確認しており、あなたもそうすべきだ(少なくとも週に一度は)。
もし一度も確認したことがない、もしくはしばらく確認していないのであれば、最初は椅子に座って自分の財務状況を計算する作業にはストレスを感じるかもしれない。ただ、避けては通れないことだ。もし自分の財務状況の確認を怠れば、富を築くために使える貴重な時間を無駄にしていることになる。事実を把握しないことには、戦略を練ることなどできないからだ。


自分の財務状況を調べる作業はいまの時点では大変かもしれないが、すぐに慣れるようになる。いつの日か、作業を楽しみにさえ感じている自分に気づくはずだ。より早く始めるほど、経済的自由にもより早く到達できるのだ。
貯蓄と投資を続ければ、あなたの純資産はどんどん大きくなる。複利効果で、その増え方は加速していく。」

 

元本になりそうなものがどれだけあるのかまとめようという考えです。
自分の資産がそもそもどれくらいあるのか、換金性がどれくらいあるのか等をチェックする作業です。

面倒ですが、頭でイメージするのと、実際に数字を確認するのでは、けっこう違ったりしますので、この整理は必要でしょう。

自己破産まで考えている人でも、忘れていた財産が出てくることは意外とあります。

 

負債をチェック

 

「次は負債、つまりあなたが他人から借りているお金の額だ-例えば、学生ローン、クレジットカードの借金、個人ローン、自動車ローン、住宅ローンなど。次ページの表を参考に140ページの表にそれらを書き記そう。右側の行にはそれぞれの借金の直近の金利を書く。こうすればどの金利が最も高いのかが一目でわかり」

「必ず正直に申告しよう。隠し事はなしだ。気持ちのいいものではないが、ここでは気取らないことが大事だ。いくら大きな借金をしていても、その苦境から脱し、富を築く道はあるのだ。
ジュリーはお金を貯めるのが得意だったが、借金も多く、3社のクレジットカード会社からお金を借りていた。学生ローンも3つあり、個人ローン、住宅ローン、自動車ローンまで抱えていた。」

 

借金がある場合には、これも書き出す必要があります。

多重債務になっていると、そもそもいくらなのか把握していない人も多いです。
法律相談に来て、初めて金額が分かる人もいます。

しかし、問題解決をするためには、まずその問題について把握しなければなりません。
債務額を確認するのは必須です。

 

 

「あなたの純資産を計算するためには、単純に総資産から総負債を差し引けばいい。」

プラスからマイナスを引けば、いまの純粋な資産額は出ます。

 

どの借金から返す?金額が少ない業者から?

「多くのパーソナル・ファイナンスに関する本では、最も残高の少ない借金からまず返済するようアドバイスされている。大きな借金よりも小さな借金の方が返済は容易で、ひとつの借金がなくなれば気分的に楽になり、残りの借金も徐々にうまく対応できるようになるという発想だ。
小さな借金を返済し終えると気分は軽くなるかもしれないが、できるだけ早くリタイアしたいのであれば、できるだけ多くお金を貯められる(そして投資できる)やり方で-できるだけ早くだけではない-借金を返済する必要がある。そのため、残額の多寡にかかわらず、最も金利の高い借金からまず返済を始めるべきだ。」


借金を支払える余力があるのであれば、金利が高いものからすべきという話になります。

少額の債権者を返済すると1社減るので、気分的にラクになる人も多いのですが、同じ額を返すのであれば、金利が高いところを返すのが、支払い利息という点からは合理的なのです。

あくまで確認するのは金利です。

 

投資と借金返済の優先度は?

そして、自分が出せる投資利回りよりも金利の方が高いという場合には、借金返済を優先しなければなりません。


よく、消費者金融やクレジット会社の多重債務状態なのに、投資をしようとして、さらに借金地獄に陥る人がいます。

この発想ならば、消費者金融以上の利回りを確保しないといけないのです。

消費者金融からの借金が年利15%だとしたら、それ以上の利回りを得る投資をしなければなりません。
ただ、こういう利回りを謳う投資商品はほぼ詐欺です。

そんな賭けはギャンブルにすぎません。

 

まず、高利の借金を返済することこそが、投資といえるでしょう。

「借金の金利が投資から現実的に得られるリターンよりも高いのであれば、投資の前にその借金を返済すべきだ。投資よりも高い複利で借金が増えることになるからだ。
複利は投資にも借金にも当てはまるため、数字に基づいて自分に最も有利な決断をするよう常に心がけよう。例えば、クレジットカードの金利は通常は異常に高いため、投資を始める前にその借金を返済する方が理にかなっていることが多い。あなたのクレジットカードの金利が11%だとすると、クレジットカードの借金残高は毎年11%増えるということだ。クレイジーな高さではあるが、残念なことにそれが普通なのだ!」

まず、借金を完済したり整理すること。
そのうえで、貯蓄で、投資のための元本を準備という流れです。

 

このような前提で、投資の元となる資産が作れたら、投資に回せることになります。

 

投資の利回りは?

ここで、利回り何%で運用できるかという点がポイントになってきます。

本書では、年7%と設定されています。

個人的には、不動産投資ならともかく、このパーセンテージはやや楽観的ではないかと感じます。

ただ、投資利回りと、借金の利率の説明については、わかりやすいので、引用します。

「すでにお見せしたように、株式市場のリターンは長期的にはおよそ(プラスの)7%であり、悪くはないリターンと言えるが、クレジットカードの借金が増える22%という利率に比べるとまだまだ低い。そのため、投資を始める前にまずその借金を返済した方が合理的だ。株式市場が暴落したときでも、下落率は22%よりは小さい可能性が高い。
銀行にとってクレジットカードは非常に儲かるビジネスだ。22%のリターンを得られる投資などほとんどない。もしクレジットカードを使うのであれば、利息を発生させないように必ず毎月全額を返済するよう最善を尽くそう。もしそれができないのであれば、自分の支出を再考すべきだ。もしすでに金利が15%以上の借金を抱えているのであれば、投資を始める前にできるだけ早く全額返済するようにしよう。


学生ローンはどうだろうか?これも金利次第だ。もし学生ローンの金利が6~7%であれば、やや難しい選択になる。投資から得られる平均年間収益率に近いからだ。もしあなたのクレジットヒストリーがきちんとしているのであれば、そのローンを借り換え、金利を3~6%に引き下げることができるかもしれない。その水準-もしくはそれ以下-に借り換えられるのであれば、余剰資金はおそらく学生ローンの返済ではなく、投資に回すべきだ。

どの道を選択しようが、毎月の学生ローンの返済は最小限にすべきだ。もし金利がマーケットへの投資で得られる7%に近いのであれば、もう少し早いペースで借金を返済-毎月1カ月分ではなく2カ月分-して、残りを投資に回すのもありかもしれない。」

 

この7%という設定は、あくまで米国の話です。

米国株式の過去のリターンを前提にしています。

もちろん、日本にいても米国株式に投資することはできますし、株式市場が好調なときに過去を振り返ると、このような利回りになることはあります。


それを将来にかけて期待できるかどうかは、各自の判断となるでしょう。

株式のリスクも考えないといけません。マイナスになるリスクもあるのが投資です。

 

そして、日本の株式投資関係の本では、そこまでの利回りを前提にすることは多くないと感じます。

基本的には、住宅ローンやそれに近い借金ならば、返済を後にして投資を始めても良いでしょうが、カードローン関係を上回る利回りへのチャレンジはやめて返済を優先した方が良いと考えています。

 

確定拠出年金は優先

なお、米国でも確定拠出年金はオススメとのこと。

「抱える借金の額や金利の高さに関係なく、あなたが必ず資金を投資に回すべき状況がひとつある。あなたの会社が、確定拠出年金であなたの掛け金と同額の負担をしてくれるときだ。

通常、社員に退職金プランを提供している会社は、あなたの給与の一定の割合(多くの場合3~6%)まで同額を負担してくれる。それはダダのお金であり、その制度を利用するということは、投資金額に対して50~100%のリターンを得ているに等しい。マーケットからそんなリターンを得られることは決してなく、その会社負担を満額利用しないというのは、絶好の機会をみすみす逃しているということになる。


もしあなたの会社が会社負担をしてくれるのであれば、満額利用できる金額まで年金口座に拠出すべきだ。もし会社が給与の3%までを負担してくれるのであれば、あなたは少なくとも給与の3%を年金口座に拠出するべきだ。もし例えば、給与の4~6%まで半額を負担してくれるのであれば、少なくとも6%を拠出すべきだ。」

ちなみに、日本の制度でいうと、確定拠出年金は、差押禁止となっており、非常に強い資産になります。自己破産でも換価できず、個人再生でも清算価値に加算されません。

これらの法的な借金整理手続きをしても手元に残る資産となっています。

もちろん、すぐに出金できないという事情はありますが、資産形成としては有効に働く可能性が高いものでしょうね。

 

 

「お金は単なる数字のゲームであることを肝に銘じておこう。あなたの感情や信念とは関係なく、その仕組みは変わらないのだ。投資を早く始めれば始めるほど、お金の仕組みについてもっと学べば学ぶほど、より自信が持てるようになり、お金の扱いは楽になる。」

 

投資資産のための貯蓄

投資に回せる資産を作るには、貯蓄しないといけません。
貯蓄は、家計の余力から作るもの。
余力は、収入-支出からなるものですね。

「収入を増やすことと支出を減らすこと、これらふたつは車の両輪だが、経済的自由にいち早くたどり着くためには、収入を増やす方が支出を切り詰めるよりも影響力が大きい。なぜなら、支出を切り詰めるには限度がある一方、収入を増やすことでより多くの資金をより頻繁に投資に回せ、複利のペースと資金の増加を加速させることができるからだ。」
「収入の半分以上を貯蓄に回すという発想はクレイジーに聞こえるかもしれないが、収入と貯蓄を増やすことを何よりも優先すれば、ほとんどの人ができることだ。」

 

収入を増やすことを考えた方が良いという話ですが、怖いのは、収入を増やそうとして支出が増えるパターンです。

収入を増やすための講座とかでお金を払いすぎるのは危ないので、気をつけましょう。

高額セミナーとかコンサルとか怪しい話はいっぱいありますよ。

 

支出も切り詰められれば

支出の切り詰めに関しては、基本的な発想から。

「もしお金に関してより賢明な決断をしたければ、お金を使うことに対して意識を高く持つ必要がある。意識を高く持つということは、買うもの-もしくは買わないもの-すべてについて真のコストをよく考えるということだ。その上で、本当にそれに見合う価値があるのかを決める」

「問い1 この買い物はどれほど私を幸せにしてくれるのか?
問い2 これを買えるようになるには、いくら稼がなければならないのか?
問い3 これを買えるようになるために、人生の何時間を差し出しているのか?」

この問いを忘れず、周りと自分を比較しないことを心がけると、生きるためのお金ってそんなに必要ないのではないでしょうか。

 

車などの移動手段の考え

「仕事のために車が必要であればもっとお金をかけてもいいが、私は純資産がプラスになるまではできるだけ消費を切り詰めることを推奨したい」

「問い7 便利さと引き換えに、いくらお金を払っているのか?」

 

「移動手段として最もお金がかからないのは徒歩、次が自転車だ。2012年後半には私はオフィスの近くに引っ越し、徒歩で通勤できた。過去5年間で、車を運転しないことによって4万ドル以上を節約した計算になる。
公共交通機関もそれが整備されている都市に住んでいればすばらしい選択肢だ。電車、バス、フェリーでさえも月数百ドルしかかからず、保険や維持費は必要ない。さらに運転という煩わしい作業も免除される」

車に関する支出は確かに大きいです。

不便なところに住んでいるとか、子供の関係で必要という人も多いかもしれませんが、惰性で持っている場合には、考え直すのも良いでしょう。

 

食費を節約?

「おそらく食事の予算はかなり削れるものの、その節約が時間をかけてやるほどの価値があるのかはよく考える必要がある。もしあなたがフルタイムの仕事や副業で大金を稼いでいれば、食費を節約するためにいつもの食事の仕方を大きく変える価値はないかもしれない。あなたの実質時給が50ドルであれば、10ドル節約するためだけに買い物に余分に1時間かける必要はないだろう。もちろん、買い物が本当に好きだったり、具体的な食事制限があれば別の話だ。」

自分の時給を考えろ、という話です。

自分の時給で考えた場合の節約効果があるのか。時間をかけるだけの価値があるのかという話です。

日本の投資マインドみたいな本にもよく書かれている内容です。

 

食費に関しては、自分の健康状態は意識する必要があります。

身体が資本といいます。

不健康な食事をして、寿命が縮むのであれば意味がない。
医療費もかかるし、その不安を払拭するために高い保険に入ったりするかもしれない。

それよりは食事を意識して、一定の健康レベルを保つべきです。

というわけで、低温調理器とかおすすめです。

 

 

 

家計状況をチェック

あとは、家計周りは、定点観測を。

「自分の予定表を今すぐに見て、お金を管理するための時間を少なくとも毎日5分あらかじめ確保しよう。朝一番にそれをやって、朝のルーティン作業の一部にすることをオススメする」

そして、お金はあくまで手段。
それが人生の目的ではないことを最後に確認しましょう。

「自分の予定表を見て、お金を稼ぐこととは関係ないが、心から好きで、あなたを幸せにしてくれることのための時間を予定に入れよう。これは何も考えずに、人生の貴重な時間をフェイスブックやインスタグラムに浪費することとは全く違う。読書でも、草バスケでも何でもいい。とにかくそれをするための時間を予定に入れよう。」

 

投資の前に借金を返済すべきかどうか、借金と投資の2つに頭を悩ませている方も多いかと思います。

弁護士事務所では、借金問題については債務整理によって協力できる可能性もありますので、ご希望の方は、以下のボタンより無料相談をご予約ください。



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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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