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アビリオ債権回収の債務整理ケース紹介

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債務整理の事例

 

アビリオ債権回収の消滅時効例

アビリオ債権回収会社は、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社の完全子会社として、三井住友グループの当面の機能として債権を回収する会社です。

時効援用や交渉が成立した事例も多く見られ、裁判に発展することもありますが、正確な債権確認と正しい対応が重要です。本記事では、アビリオ債権回収会社との債権問題の具体的な対応例や注意点を詳しく説明します。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2024.10.22

 

アビリオ債権回収会社は、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社の100%出資会社です。

三井住友グループの債権回収会社といえるでしょう。

任意整理や個人再生で対応することも多い会社です。

2021年1月の時点で、虎ノ門三井ビルディングに本社があり、同住所から督促状が届くことも少なくありません。

沿革として、パル債権回収会社を合併したり、日本信販グループの業務を受託した経緯があります。

 

アビリオ債権回収と任意整理

そのため、同社から督促される債権としては、銀行系の系列の債権であるなどして、金額が大きい債権のことが多いです。

債務が残っている場合には、任意整理で分割払いの交渉をする方法があります。

任意整理で交渉をする場合も難航することはありますが、一定額での和解でまとめるケースもあります。債務者の個別事情を考慮してもらえることもあります。

 

アビリオ債権回収の消滅時効例

債権回収会社からの請求ということで、当然ながら、消滅時効期間が経過した債権の請求も多いです。

9年前に、銀行に代位弁済された元金200万円以上の債権額について消滅時効援用により支払い義務がなくなった事例もあります。

プロミスであるSMBCコンシューマーファイナンス自体の債権譲渡もあります。平成13年~平成21年前後で支払を止めたケースで時効になっている事例があります。

また、レイクブランドの新生フィナンシャルからの債権譲渡もあります。平成16年あたりの取引停止分が債権譲渡されていた事例で消滅時効援用ができたケースがあります。

他に、KCカード、ワイジェイカード、クオークローン、クラヴィスなどからの債権譲渡事案もあります。平成17年に返済を止めたケースで債権譲渡後に消滅時効の援用をしたケースがあります。

 

督促状が届いた段階で、もとの債権が不明な場合もあるので、その場合は、契約書の開示などをさせて債権の内容を確認することができます。

 

アビリオ債権回収からの裁判

アビリオ債権回収については、すべての借金が消滅時効になっているわけではなく、裁判を起こされている事例もよく見かけます。

これは、元の債権者がどこであるか等によっても変わってきます。

アットローン債権について、平成18年頃に返済を止め、平成20年に民事裁判を起こされて判決を取得されている事例があります。

判決が取得されている場合には、消滅時効期間は10年となります。

その期間に、返済等が再開していない場合、裁判を再度起こすなどして、消滅時効期間を止める必要があります。

しかし、2回めの裁判は起こされずに、簡易裁判所の支払督促や判決から10年以上が過ぎていて、消滅時効の援用により、結局、支払い義務をなくせたというケースもあります。

民事裁判と時効

同様にプロミス債権で平成15年に裁判所の判決が取られ、その後に消滅時効期間が過ぎている事例もあります。

裁判を起こされたタイミングでは消滅時効の主張ができたのに、無視していたために判決が出てしまっており、消滅時効の主張ができない事例も見かけます。裁判を起こされたタイミングで消滅時効のチェックはすべきでしょう。

 

2回めの裁判を起こされているケース

アビリオ債権回収から2回めの裁判を起こされたという相談もありました。

プロミス債権で、1回めは支払督促、その後に10年経過前に裁判を起こしたという内容です。

法的には時効を止めるための裁判ですので争えない内容です。

このような場合、法的には遅延損害金の請求もできるため、多くの債権回収会社は減額に応じないことが多いです。金額を固定したうえでの和解交渉が成立することはあります。

今回の事例でも、裁判を起こされた金額を3年程度で分割払いとする和解は成立しています。

別の事例でも、裁判所の判決が出てしまっていたため、3年の分割払いの合意ができたものもあります。

 

アビリオ債権回収からの支払督促の開示

もとの債権者によっては、裁判所を使った支払督促という手続きがされているケースもあります。

民事裁判と支払督促は、ともに裁判所を使った手続きですが、消滅時効の制度では、扱いが大きく異なります。

このような裁判手続きがされる「前」に消滅時効期間が過ぎていた場合、支払督促がされていても、後から消滅時効の援用ができることが多いです。

これに対し、民事裁判では、既判力と呼ばれ、後から争えないというルールがあるため、裁判の時点で消滅時効だったと後から主張することができません。

支払督促のような裁判所の書類が開示されたからといって、消滅時効の援用ができないわけではないので、支払督促前に消滅時効期間が過ぎていないかチェックするようにしましょう。

アビリオ債権回収支払督促

 

アビリオ債権回収と複数債権

アビリオ債権回収に債権がある場合でも、複数の業者から債権譲渡を受けている事例もあります。

そこで、一部の業者は債権譲渡前に裁判を起こしていて時効にならない、一部の業者の分は時効期間が経過しているという事例があります。

そのような場合には、時効になっている部分を判別して、一部を消滅時効援用、時効にならない業者分のみ任意整理などで解決、というように区分けして対応する必要があります。

一部業者では裁判があるからといって、他の債権分まで支払の和解をしてしまうと、もったいないのです。

ここを混同しないよう注意しましょう。

 

アビリオ債権回収の裁判例

アビリオ債権回収から保証人として訴えられたものの、内容を争い、請求が棄却されたという裁判例があります(東京簡易裁判所令和6年3月19日判決、控訴、消費者法ニュース140号)。


本件は、アビリオ債権回収株式会社が、ある不動産の抵当権設定者を主債務者の連帯保証人として訴えた事案です。

しかし、裁判所は「被告を連帯保証人と認めることはできない」として請求を棄却しました。

本件で争点となったのは、保証申込み用紙の下部に被告の記載があることだけで、連帯保証契約が成立したといえるかという点です。

裁判所は、以下の理由から、これを否定しました。

保証申込み用紙に「連帯保証をする」という明確な意思表示がない
被告は単なる抵当権設定者(担保提供者)として記載されているだけ
関連書類(相殺前支給金明細書、保証債務履行請求書、代位弁済金領収書)には、債務者として主債務者の名前のみが記載

被告は、当初、裁判所に出頭し自白してしまいました。そのため、自白の撤回も争点になりました。

「本件保証委託契約が締結されたのは本件訴訟が提起される約23年前であり、本件建物の競売による配当手続が行われたのは約10年前である。そうすると、債権回収業者である原告から本件訴訟を提起されたときに、被告が本件保証委託契約の詳しい経緯を思い出すことができずに、本件保証委託契約について連帯保証をしたとの錯誤に陥り、請求原因事実を認める旨の陳述をすることも十分に考えられるところである。そして、争点(1)で検討したとおり、被告は本件保証委託契約について連帯保証していない。」

「被告の自白は、被告が本件保証委託契約の連帯保証をしていないという真実に反し、かつ、自白は錯誤に出たものであるから、自白の撤回は認められる。」

物上保証人のように抵当権設定のみであれば、その担保に入れた不動産の範囲でのみ責任を負います。これに対し、連帯保証人の場合には、それ以上の債務を負うことになり、大きな違いがあります。

 

アビリオ債権回収からの督促について、任意整理や時効手続の依頼をご希望の方はぜひご相談ください。



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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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