アペンタクルの債務整理ケース紹介
債務整理の事例
アペンタクル株式会社の消滅時効例
アペンタクル株式会社(旧:ワイド)の消滅時効援用事例です。
アペンタクルから、宇都宮簡易裁判所に裁判を起こされたということで相談がありました。
訴状を見ると、平成17年に金銭消費貸借契約。
期限の利益喪失も同じく平成17年の末頃。
1年経たずに返済を止めてしまったという事情です。
アペンタクルは、旧ワイド。商号変更しています。
本社がある栃木県内で、宇都宮簡易裁判所に訴訟提起してくることが多い業者です。
過去に裁判を起こされたこともなく、初めての裁判とのことでした。
そうであれば、消滅時効の援用をすれば、支払い義務はなくなり、この裁判での請求も取り下げられたり、請求棄却の判決が出ることになります。
このような場合に、消滅時効の援用をするには、裁判外でするパターンと、裁判所の手続きの中でするパターンがあります。
どのような形で進めたいか、弁護士のフォローがどこまで必要かによって、選択肢は変わります。
今回は、裁判対応は自分でする、その書類だけをしっかり作成してほしいとの依頼でした。
裁判所の対応は任せたいという人が多いなかで、少数派の依頼です。
そのような依頼がある場合には、消滅時効援用の主張をした本人名義の答弁書を作成し、本人から裁判所に提出するだけで大丈夫な形にしてお渡しします。
そのうえで不明点や手続きで問題が発生した場合には、メール等でサポートできる体制をとります。
今回は、答弁書の提出により、時効援用が認められ、裁判も終了となり、解決できました。
裁判外での消滅時効援用通知
裁判を起こされたとして相談に来た場合でも、比較的早いタイミングの場合には、裁判期日まで余裕があることもあります。
このような場合、裁判資料を確認して時効の主張が可能と判断した場合には、受任通知と同時に消滅時効の援用手続をしてしまうこともあります。
これがうまく行けば、裁判は取り下げられます。
このような流れで取り下げられたという事例もあります。
ただし、時間的な余裕がないような場合には、答弁書の提出など裁判対応が必要になります。
答弁書で消滅時効の援用
裁判期日が近く、消滅時効の援用をしたうえで裁判が取り下げられるか様子を見る時間がない場合には、答弁書を作成し、その中で消滅時効の援用をすることもあります。
裁判で反論をしたことになるので、消滅時効の援用ができたかどうか曖昧なまま判決が出されてしまうリスクが減ります。
請求原因に対する認否を保留しつつ、訴状記載の主張でも消滅時効援用をするとの記載をして裁判所に提出しておきます。
これにより宇都宮簡易裁判所のアペンタクルの裁判が取り下げられた事例があります。
アペンタクルについては、このように消滅時効期間が経過してから裁判所の手続がされるケースもありますし、それ以前に最後通告書などの書類が届くことも多いです。
2000年~2005年あたりで取引を停止したケースでも、督促状が届いていることもありますので、法的に支払い義務をなくした場合には、消滅時効の援用手続をすることになります。
アペンタクル判決直後の時効援用
裁判を起こされたタイミングでの相談は、上記のような対応ができます。
ただ、裁判を起こされても無視すると、反論がないものとみなされ、アペンタクル側の言い分を認めた判決が出てしまうのが通常です。消滅時効は援用しなければ効果が生じないので、支払い義務があることを前提に判決が出されるのが通常です。
裁判所の判決が確定してしまうと、後から消滅時効の主張をするのは難しくなります。
ただ、判決は送達されてから2週間以内に控訴することができます。不服申立てです。
簡易裁判所での判決であれば、今度は地方裁判所で審理してもらうことができます。
そのため、判決が届いてすぐにご相談いただければ、控訴したうえで、消滅時効の援用により解決できる可能性はあります。
理論的には、消滅時効の主張を第一審でしなかったことについて、時機に遅れた主張ではないかと反論される可能性はありますが、過去の事例では、そこまで争われてはいません。
これに対し、控訴できる期間が過ぎてしまって判決が確定してしまうと消滅時効の援用は難しくなります。平成27年頃に裁判を起こされ判決が確定している事例もあります。
消滅時効の援用ができなければ、法的には、遅延損害金を含めて支払義務があることになります。
裁判等から10年後の消滅時効援用
裁判後も長期間が経過している事案もあります。
法律では、判決確定等から10年が過ぎると、これも消滅時効の対象となります。
差し押さえや支払い等がなく、10年が過ぎている場合には、消滅時効の援用ができる可能性があります。
ジン法律事務所弁護士法人では、平成15年に裁判所の特定調停が成立している事案で、最終支払から10年が過ぎて消滅時効の援用をした事例があります。
裁判前の消滅時効
アペンタクルからは、裁判手続前に、最後通告書のような書類が届くこともあります。
実際にこのような通告書が届いた後に裁判を起こされている事例もあります。
たとえば、3月に最後通告書が届き、6月に裁判を起こされ、7月に裁判所から呼出状が届いたという事例があります。
記載内容や過去の記憶から、消滅時効になっている可能性が高い場合には、裁判前に消滅時効の援用をしておいた方が裁判所からの手紙も届かなくなりますので、良いでしょう。
アペンタクルと受任通知
アペンタクルからの督促が来ていても、弁護士に依頼し受任通知を送った後は、督促は止まります。
その後、時効の調査、任意整理では分割払いの交渉をすることになります。
ただ、受任通知は督促を止める効果はあっても、裁判を止めるまでの効果はありません。
時効期間が過ぎていても、裁判を起こされてからの場合、裁判対応が必要になることも多いです。
このあたりは、裁判期日までどれだけ余裕があるか等によっても変わりますので、ご相談時に対応を個別検討します。
このようにアペンタクルから裁判を起こされて時効手続の依頼をご希望の方はぜひご相談ください。