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ヤミ金融の債務整理ケース紹介

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ヤミ金融の支払拒絶事例

ヤミ金融からの督促を止め、支払拒絶により解決した事例です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2022.6.24

茅ヶ崎市にお住まいの40代男性からの相談でした。

 

ヤミ金融からの借り入れ内容

2件のヤミ金融借り入れとのことで、電話番号しかわからないとのことでした。

1件は、一度も返済なし、1件は、複数の口座への送金記録がありました。

 

 

ヤミ金融からの借り入れ経緯

今回のケースでは、Twitter等のSNSでやりとりが始まり、取引をしています。

一度、ヤミ金融から借りたことで、別業者からもSNSで勧誘され、複数の取引が続いてしまったという経緯です。

SNS経由では、個人間融資などと言われ、軽く考えて手を出したものの、実際にはヤミ金業者で、高金利の請求をされるということが多いです。

個人間融資と勧誘されるものにも手を出さない方が無難です。

 

ヤミ金融とのお金のやりとり

相手業者とのやりとりは、電話や口座送金のみでした。

業者によっては会ったうえで、直接手渡しをするというケースもあります。

しかし、今回は、すべて銀行口座を通しての取引だったそうです。

返済口座も、時期によって、違う名義人でした。合法業者ではありえない取引です。

ヤミ金融業者について、借主が把握している情報は、携帯電話番号と、過去に支払った預金口座のみでした。

 

ヤミ金融との取引を整理

弁護士などの専門家に、ヤミ金融対策を依頼した場合、まず、業者との取引を整理する必要があります。

ヤミ金融との契約、合意は気にしない(いつ、いくら返済するとの約束だった、契約上の借り入れ金額など)。

まず、単純に受け取ったお金と渡したお金だけを集計します。

10万円の返還約束で、利息を引いて8万円を受け取った、という事例では、8万円を受領額としてメモします。

その後、利息として2万円払ったという場合には、2万円を支払い額としてメモします。

単純に差額は、6万円となります。

業者の主張では、10万円の元金が残っている、2万円は利息にすぎない、などと言ってきますが無視します。

単純に、現金のやりとりだけを追いかけましょう。

 

弁護士のヤミ金融対応

弁護士などの専門家にヤミ金の対応を依頼した場合の、基本的なスタンスは次のようなものです。

受け取ったお金は返さない

払ったお金は返還請求。

これは最高裁判決に従った内容です。

8万円を受け取ったとしても、これは返さない。

2万円を払ったのであれば、それだけを返還請求するという方法です。

これが最高裁判決の内容です。

 

民事裁判のコスト

しかし、実際に、2万円の返還請求をしても、ヤミ金業者が簡単に返してくれるものではありません。

彼らとしては、差引で6万円の損失が出ていますから、弁護士が連絡しても、すぐに返金されることはほとんどありません。

回収しようと思えば、何らかの強制手段が必要です。

正攻法としては、民事裁判を起こして判決をもらい、財産を差し押さえることになります。

しかし、民事裁判を起こすのにもコストがかかるほか、携帯電話番号しかわからない場合、名義人の照会をかけるなどして、氏名・住所を特定するなどの費用もかかります。

勝訴判決をとっても、名義人に対する判決だけになる可能性も高く、財産がないため回収できないリスクも高いです。

つまり、費用倒れになってしまうリスクが高いです。

 

ヤミ金融業者からの回収

ヤミ金融業者からの回収ができる事例としては、犯罪口座の申告をして利用された口座を凍結、預金口座に残高があれば、手続に従い配当を受けるというものがあります。

この流れでの回収事例もあります。

または、これを交渉材料として一定額の返金を受けるという対応も考えられます。

 

ヤミ金業者が主張する最近の弁護士対応

ヤミ金業者に電話連絡をし、支払拒絶などの連絡をします。

2022年にヤミ金業者に対し、完全に支払拒絶の連絡をしたところ、「最近は、一部を返してくれる先生もいるんですけどね」と言われました。

ヤミ金業者の主張では、差額の6万円のうち、一部は返金する形で和解をする弁護士もいるとのことです。

本当でしょうか。

最高裁判決が差額すら返還不要としたのは、ヤミ金の違法性が強く、これを根絶しなければならないと考えたからです。一部でも返金するということは、ヤミ金の損失を減らす行為なので、最高裁判決に反する内容になります。

もし、このような弁護士が増えているのであれば、相談する際には、弁護士の方針を確認する必要が出てくるでしょう。

 

電話連絡による支払拒絶

相談者の希望は、支払拒絶をメインにし、口座凍結等の返還請求までは強く望まないとのことでした。

そこで、弁護士からヤミ金融の携帯電話に連絡し、受任した旨、支払拒絶の通知を行いました。

支払金の返還の話もしましたが、電話連絡のみではなかなか難しく、支払拒絶の承諾のみ取り付ける形での終了となりました。

1件については、一度も返済がなかったため、もともと返還請求ができる事案ではありませんでした。

支払拒絶については、弁護士からの通知ということでやむを得ないという態度でした。

ただ、業者のなかには、「次、やったら追い込みますよ」と捨て台詞を残していくところもありました。

もちろん、一度、解決したのに、再度、ヤミ金融業者に手を出してしまうのは絶対に避けなければなりませんので、その旨を相談者には伝えています。

 

ヤミ金融の対応は、任意整理に準じた費用とさせていただいております。初回ご入金後に代理人である旨を通知する流れです。

 

ヤミ金融の支払拒絶の依頼をご希望の方はぜひご相談ください。



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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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