よくある質問
よくある質問
債務整理のメリットデメリットは?
借金が返済できないけど、債務整理に踏み切って良いか、迷っている人も多いです。
そのような人の検討する要素として、メリットやデメリットについて解説します。
債務整理のメリット
任意整理を含めた債務整理には、以下のようなメリットがあります。
- 全体像が見えやすくなる
トータルの支払い金額が安く済む
将来の利息がかからない形になる
返済日を固定できる
毎月の支払い額が固定されるため、返済計画を立てやすくなる
これに加えて、自己破産や、個人再生では、借金自体を減額できる
というメリットがあります。
返済日、金額がわかりやすくなる
毎月の支払い額が固定化されるのがメリットになるのか、疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、借金というのは抱えるだけでストレスです。
この返済計画全体が見渡せ、どれぐらい達成できているのかがわかるとのは、ストレスを軽減させます。
残りがいくらなのか、残りは何年なのか、この返済生活をどれだけ続ければ終わるのか、それが分かるだけでも、ストレスが減るのです。
ゴールが見えると見えないのでは、目標達成率が大きく変わります。
そのため、全体をわかりやすくして、ゴールまでの道筋を見えるようにできるのは、任意整理のメリットといえます。
借金返済はわかりにくい
これに対して、借金をそのまま返済し続ける場合には、日々のカードで借金ができたりします。
全体像が見渡せず、利息がいくらか、今はいくら払っているのか、いくら元金が減っているのか、さっぱりわからないことになります。
1つのカードだけでも、リボ払いを使っているとこのような状態になります。
複数のカード、消費者金融などを利用してしまっていたら、ますますわからない状態が続きます。
各カードによって、返済日や引き落とし日が違っている、それを管理するのも大変です。
これを統一できるだけでもメリットといえます。
おまとめローンのデメリット
返済日の一元化だけであれば、おまとめローンでも同じ効果はあります。
しかし、おまとめローンについては、完済した業者から再度借りられてしまうデメリットもあります。
そのため、あまりお勧めはしておりません。
おまとめローンを利用して完済したのに、完済業者から再度借り入れをしてしまい、借金が2倍近くになってしまって、自己破産や個人再生をするケースも多いのです。
完済業者から借りられる誘惑がなく、返済を一元化できるなどの点が、債務整理のメリットといえるでしょう。
債務整理のデメリット
これに対して、任意整理を使った場合のデメリットとしては、
- ローンが組めなくなる
銀行口座の停止(銀行からの借り入れの場合)
があります。
債務整理後はローンが組めなくなる
個人再生や自己破産手続では、官報に載るので、それがデメリットであるといわれます。
任意整理の場合には、官報には掲載されませんが、CICなどの信用情報機関に、異動情報が登録されます。
これが、いわゆるブラックリストと呼ばれるものです。
ローンを組んだり、クレジットカードを作る際には、貸金業者は、信用情報機関に照会をかけます。
現在の、他社のカード作成状況や、異動情報がないかどうかをチェックするのです。
その際に、債務整理をした記録は、異動情報をとして登録されているので、そのような債務者に対しては、新たにローンを組むことを認めない、クレジットカードを作ることを認めないということが多いのです。
このようにローンの審査時に影響が出るのがデメリットといえます。
クレジットカードがなく決済方法として利用したい場合にはデポジット型のカードを使うことで、このデメリットを回避できます。
任意整理の対象外のカード利用
また、任意整理では、対象の債権者やカードを、一部にすることも認められております。
そのため、任意整理の対象にしなかったクレジットカードについては、直ちに利用ができなくなるということにはならないのが実情です。
それらのカードが、どの程度、利用できるかについては、カード会社によります。
どの程度の審査をするのかによって変わってくるわけです。
多くのクレジットカードでは、会員の信用状況等に応じて、審査のうえ当社が必要と認めた場合には限度額を下げたり、信用状態が悪化した場合には期限の利益を失い一括支払いというような規約があります。
また、カードには有効期限があるので、その有効期限が切れる更新時期に信用情報を審査し、新しいクレジットカードを発行しない、更新しないとこともあり得ます。
そのため、任意整理をするのであれば、基本的には、信用情報に影響があることで対象にしていないカードの利用もできなくなると考えておいた方が無難です。
信用情報については、個人単位での管理になるので、家族が契約者となっているクレジットカードが、直ちに止められるという事はありません。
信用情報と支払い期間
任意整理については、支払期間が決められています。5年などの期間で分割払いの交渉をする制度です。
CICなどの信用情報機関で、任意整理による和解金の支払いが払い終わった後、いつ異動情報が消えるのかというのも、債権者の登録状況によって変わってきます。
CICの規定上は、異動情報については契約期間中及び契約終了後5年以内とされています。
債権者が、どのような登録をするのか、任意整理をした債務者側ではコントロールができません。
その時期を確認するのであれば、信用情報機関に対して、自分の情報を開示し、どのような登録がされるのかをチェックするということになります。
このような信用情報機関については、CICに限らず、JICCなど、他の信用情報機関でも同じような話です。
任意整理と銀行口座の停止
次に、銀行口座の停止です。
任意整理をする対象が銀行のカードローンである場合、その銀行に対して、任意整理の受任通知を送ることになります。
この受任通知が到達した時点で、預金口座が凍結されるのが通常です。
また、その時点で残っていた預金残高は、借金と相殺されることになります。
銀行はその借金を最終的に背負うのではなく、通常は保証会社がついています。
そちらの保証会社に対して、債権が移るのが通常です。
これを代位弁済といいます。
代位弁済まで、この、預金口座の入出金の取り扱いが問題になることが多いので、保証会社との関係で、預金口座を凍結する扱いなのです。
代位弁済された後は、預金口座は利用できるようになりますが、その時期ははっきりとしません。
代位弁済がいつ行われるのかわからないからです。
そのため、銀行のローンを任意整理する場合には、給料振り込み、児童手当の振り込み等、入金先口座については、ローンがない銀行に変更しておく必要があります。
そうしないと、入金された後に出金できないということもあり得ます。
受任通知後の入金であれば、通常は、個別に交渉するなどして出金が認められるのでのですが、その手続きについても、窓口に行かなければならなかったり、日程が指定されたり、色々と大変なので、口座の変更をしておくことをおすすめします。
この銀行口座の凍結については、任意整理に限らず、自己破産や個人再生でもデメリットとしてあります。
任意整理では引越制限はない
このほかに、債務整理をした場合の制限として、引っ越しとか、部屋を借りるのに制限があるのではないかと相談されることもあります。
自己破産手続きだと、手続き中に引っ越しの制限が出てきます。
また、個人再生でも、引っ越しをするということは、管轄裁判所が変わったり、家計状況が変わったりするので、その点がチェックされることにはなります。
これらに対し、任意整理の場合には、引っ越し自体には制限はありません。
ただし、家計状況が変わるので、予定していた返済資金が確保できるかどうかが問題になります。
また、部屋を借りる際に、信用情報が影響する可能性もあります。
一定の賃借物件については、クレジット会社が保証会社になることもあり、その場合に信用情報をチェックする可能性があるです。
部屋を借りる際の制限としては、このような信用情報をチェックする保証会社がついていないのであれば、影響は出ません。
このように、債務整理には、メリットデメリットがあるので、利用するのであれば、自分の中で何を優先にするのか、優先順位をつけて、決断をしてもらえればと思います。
また、債務整理の中で、自己破産や個人再生との比較については、こちらの記事を参考にしてみてください。
メリットの一つである督促を止めるまでの流れはこちら。
文責:弁護士石井琢磨(神奈川県弁護士会所属28708)
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