楽天銀行、楽天カードの債務整理ケース紹介
楽天銀行、楽天カードの事例
楽天カードの債務整理
楽天カード、楽天銀行の債務整理の事例紹介です。
楽天系列のクレジットカードを整理したいという場合の解決事例です。
楽天カードは、クレジット会社としては新しい会社です。
楽天経済圏と呼ばれる銀行、証券会社を含めた各種サービスでポイント圏を形成しており、その決済方法としてよく使われているクレジットカードです。
一時期、おまとめローンのような借り入れもできたり、クレジットカード発行の審査も緩かったこと、テレビCM等で積極的な勧誘があったことから、楽天カードに借金がある人は少なくありません。
また、楽天銀行からの借り入れをしている場合、債務整理の際には、受任通知発送後、保証会社に代位弁済されます。ほとんどの場合、この保証会社は、楽天カードです。
楽天銀行のカードローンについても、債務整理をする場合、その相手方は楽天カードとなることがほとんどです。
そのため、楽天銀行、楽天カード分を合わせて、数百万円の債務を楽天系の会社に対して負っているという人が多いです。とくに、一時期は、融資審査が緩かった印象を受けており、金額が大きくなりがちなカードです。
借金全体の半分以上、4分の3が楽天系ということもあります。
楽天銀行の債務整理と口座凍結
楽天銀行に債務があり、楽天銀行を銀行口座として利用している場合、受任通知時に預金残高が相殺される点や、口座凍結の話は、他の銀行のローンと同じです。
その銀行からの借金がある場合、その銀行の借金を債務整理すると、預金口座凍結の話が出てくるのです。
給料や児童手当等が振り込まれても、出金できなくなったり、借金と相殺されてしまうリスクがあります。
楽天銀行をメインバンクとして使っている場合には、受任通知発送前に、給料振込口座を他に変更する必要があります。
楽天のクレジットカードを債務整理する場合には、楽天「銀行」なのか、楽天「カード」なのかによって取り扱いが変わりますので、どちらなのか、両方なのか確認しておきましょう。
楽天カードのショッピングリボ払いの債務整理
楽天カードでは、楽天経済圏でのクレジットカード利用を中心にショッピングを利用している人が多いです。
そして、楽天のお買い物マラソンなどのイベントに参加していると、高額な利用をしがちです。
このような高額なショッピング債務をリボ払いにしていたりすると、返済が大変な状態に。
キャッシングだけでなく、ショッピングリボ払いがメインで、任意整理の相談に来る人も多いです。
クレジットカード会社は、利息収入でも利益をあげようとしてきますので、当然ながらリボ払いに誘導してきます。
楽天カードでも、アプリ内を含めて、そのような誘導がされています。
賢く利用しないと、リボ払いの罠にはまってしまいます。
楽天カードと裁判
楽天カードは、支払を止めて一定期間が経過すると、民事裁判を起こしてくる業者です。
信販会社の中では、比較的、早く裁判を起こしてきます。
過去の事例では、楽天銀行の債務を代位弁済して1年後には裁判を起こしてきています。
個人再生や自己破産などの申立準備に時間がかかると、申立前に民事裁判を起こしてくることが予想されますので、早めの申立準備を進めた方が良いでしょう。
任意整理の場合には、通常の交渉期間であれば、裁判まで起こされずに解決できることがほとんどです。ただし、弁護士への任意整理の依頼前に、延滞期間が長く続いていると、任意整理でも裁判を起こされてしまうことがあります。
楽天銀行、楽天カードの任意整理と分割回数(2024年)
楽天カードとの任意整理の交渉は、以前は5年を上回る分割和解ができたり、早期にまとまったお金を準備できる場合は元金の減額もされたことがありました。
しかし、2024年の時点では、5年が限界であり、それを上回る和解はできないと担当者から言われています。
早期に和解提案ができる場合には、元金や債権届出日までの金額で和解ができる傾向にありますので、早めに支払交渉をした方が良い会社です。
そのため、楽天系列の借金が任意整理できるかどうかは、5年までの分割弁済ができるかどうかをシミュレーションすることになります。
なお、2024年時点では、ボーナス払いの併用も認められています。単純に5年・60ヶ月で割った金額は支払えないものの、ボーナスで加算すれば払えるという場合には、ボーナス払い併用も選択肢にはなります。ボーナスは不安定なので、債務整理でボーナス払いをするのは本来は望ましくないのですが、安定支給が見込まれる職種の場合には、一つの選択肢にはなります。
任意整理が成功すれば、それ以降の将来の利息はゼロになり、支払ったお金は元金返済となります。
これにより、借金が減るスピードが早くなるのです。
楽天カードのように、かつては5年以上の分割払いを認めていた消費者金融、クレジットカード会社が、方針を変更し、5年までの分割払いしか認めない方針に変わるということは、よく見かけられます。貸金業者の経営方針、経営状況によって変わるので、最新の情報をチェックする必要があるでしょう。
楽天カードは、他のクレジットカードよりも債務整理に対して厳しい傾向にあります。他のクレジットカードでは、5年を上回る分割払いに応じてもらえることも多いですが、楽天カードは5年が限界と主張しており、消費者金融に近い対応になっています。
経営状況によっては、今後、より短い分割払いしかまとまらなくなる可能性があります。
楽天カードと過払い金
過払い金は、利息制限法を上回る高い利率でのキャッシング返済がある場合には、その分が精算される制度です。
楽天カードを10年以上前に作っている人は、過払い金の可能性はあります。
楽天クレジットや、国内信販、楽天KCなどの時代のキャッシングがあれば、調査してみると良いでしょう。
楽天のサイトでのショッピング利用などは、利率が低いため、過払い金は発生しません。
楽天カードは個人再生で反対も
楽天銀行、楽天カードの債務が、自分の借金のなかで、かなりの割合を占める場合、債務整理方針のうち、個人再生では注意が必要です。
個人再生の中で、債権者の過半数が反対すると通らない小規模個人再生を使う場合、楽天銀行と楽天カードの合計債務が、全体の借金のうち50%以上を占める金額となっている場合、楽天カードが反対すると、再生計画案が通らなくなってしまうのです。
そのような債権者構成の場合には、個人再生でも給与所得者等再生を使えないか検討する必要が出てきます。
2024年時点で、楽天カードは事案によって反対してくる対応がされています。数年前にも複数の事件で反対意見を出してきており、注意が必要なクレジット会社です。
特に金額が大きい事件で反対意見を出してくる傾向があります。
楽天カードの債務整理の流れ
債務整理をする場合の流れとしては、まず、法律事務所に予約をとって相談を受ける必要があります。
そのなかで、債務整理のどの手続を希望するのかをお聞きし、それができそうか見通しを伝えます。
相談後、ご依頼を希望の場合には、弁護士への委任内容、費用を記載した委任契約書を作成します。
これに従って、受任通知を楽天カード宛に送ります。
受任通知を遅れば、督促・返済は止まります。
クレジットカードの利用もここで止めます。
その後、金額調査に入ります。複数の債権者を任意整理する場合には、全社の調査が終了したタイミングで和解条件について打ち合わせ、各社と交渉に入るという流れです。
もっとも、楽天カードの場合、「一定時期までであれば元本での和解が可能」などと時期を区切って和解条件を変えてくることがあるので、ある程度の情報開示があった時点で、先行して交渉を進めたほうが有利になることもあります。
任意整理による合意ができた場合には、和解契約書などを作成し、それに従って分割払いをしていきます。
任意整理以外の債務整理方法の場合には、裁判所への申立書類の作成や必要書類の準備を進めてもらうことになります。
楽天カードと受任通知
楽天カードからの督促が来ていても、弁護士に依頼し受任通知を送った後は、督促は止まります。
楽天銀行からの借り入れの場合、預金口座の残高は相殺されたり、口座凍結になるのは、他の銀行と同じです。
その後、時効の調査、任意整理では分割払いの交渉をすることになります。
楽天カードも、モビットと並んで動きが早い業者です。
受任通知によって督促は止むものの、民事裁判を起こしてくることがあるのです。
モビットほど動きは早くありませんが、数ヶ月という単位で裁判に動いてくることが多いです。
自己破産や個人再生の場合、申立準備に少し時間がかかっているという印象の事件では、裁判を起こされてしまうケースもあります。
任意整理でも早めに交渉を開始したほうが良い業者です。
楽天カードでは、クレジットカードのため、受任通知後も、督促ではなく、利用明細などの郵便物が届くことはあります。
なお、楽天カード等の債務整理をしても、クレジットカード利用等が制限されるだけですので、楽天自体のサービス自体は、決済方法を変えるなどして、そのまま使えるのが原則です。
楽天カードと取引開示手数料
2021年4月、楽天カードは、債務者の取引履歴開示について、初回を除き手数料を徴収すると発表しました。
貸金業者に取引履歴の開示義務はあるものの、初回の開示をすれば、その義務を果たしたという主張のようです。
このような手数料を徴収するようになってきたのは、本体の楽天の経営状況が影響しているものと推認されます。
楽天グループでは、楽天モバイルでの集客を進めており、同事業での赤字が大きく出ています。
そのため、楽天ゴールドカードのポイント率を改悪するなど、楽天経済圏での条件悪化が繰り返されています。
このようにモバイル事業での赤字を他のところから補填しようとする動きの一環であると推認されます。
一般論からすると、経営悪化した金融機関は、任意整理においても、厳しい条件を提示するようになってきます。
今後、楽天カード等についても、任意整理で厳しい対応に変わり、債務者側の負担が増える可能性が高く、整理するのであれば、早めに動いた方がよいのではないかと感じます。
任意整理をお考えの場合には、このように相手となる金融機関の経営状況もチェックしておくべきといえるでしょう。
債務整理のデメリット
任意整理に限らず、債務整理をした場合のデメリットとしては、ブラックリストに載ると言われます。
これは、CICなどの信用情報機関に異動情報が登録されるという意味です。
債務整理をしなくても、一定期間の延滞があると登録されます。
これにより、他社で新しくカードを作る、ローンを組むときに、異動情報が確認され、審査に通らなくなるという仕組みです。
楽天カードも、このような信用情報機関への異動情報は登録します。今後、ローンが組めなくなるというのはデメリットになってきます。
とはいえ、最近は、ETCカードを含め、デポジット型のカードも出てきており、決済方法としては、クレジットカードの代わりになるものが増えてきています。
デメリットの一部は解消されつつあるといえるでしょう。
楽天カード、楽天銀行の借金は金額が多額になりがちですので、家計の収支をしっかり考える必要があります。楽天系列からの借金を含めた債務整理をお考えの方、借金でお困りの方はぜひご相談ください。